-頭痛・偏頭痛 | 品川大崎 鍼灸マッサージ整体 手ごころ治療室
私のこれまでの臨床の中で、一番遭遇する機会が多いのが「いわゆる頭痛持ち」の方々です。
今回は、頭痛の種類や特徴を理解した上で、ご自身の頭痛のタイプがどれに当たり、どのように対処・治療するのが効果的かを考えて頂ければ幸です。
最近特に増えてきているのが片頭痛と筋緊張性頭痛が同時に現れる混合型頭痛で、これは相対する症状を呈することで治療という観点から見ても非常に難しく、予防を含めた自助努力に真剣に取り組んで頂きたいと思っております。
さて、まずは基本的な頭痛について考えて行きましょう。
頭痛は大きく分けて、機能性頭痛と症候性頭痛の2つに分けられます。
機能性頭痛は同様のパターンを繰り返したり持続的に引き起こされる慢性的な頭痛です。
器質的な異常はありません。
因みに、器質的な異常は細胞や組織が変化や変形、破壊された状態で、CTやMRIでわかります。片頭痛、緊張性頭痛、混合型頭痛、群発頭痛が機能性頭痛に当たります。
一方、症候性頭痛は脳卒中や外傷による硬膜下血腫、脳腫瘍に代表されます。
主な症状として、今まで経験したことのないような頭の痛み、片方の手足や顔半分のマヒとシビレ、呂律が回らない、言葉が出ない、他人の言うことが理解できない、力があるのに立てない、歩けない、ふらつく、片方の目が見えない、物が二重に見える、視野の半分が欠けるなどがあります。
このような場合は、速やかに医療機関で精密検査を受けましょう。
①頭全体が締めつけられる様な持続的な痛み
②我慢できないほどではなく間隔はほぼ毎日で、軽いめまいを伴うことがある
③午前中から生じることもあれば、仕事に疲れる午後から生じることもある
①精神的や身体的ストレス、頭部筋群の過緊張
②精神的要因
ストレス 不安 抑うつ状態
③身体的原因
ストレートネック 長時間のデスクワーク 眼精疲労 肩コリ 背中の筋肉の痛み 吐き気 めまい
①様々な原因で血管が収縮することが起因とされ、一度頭痛が起こると痛みによって筋肉のコリや血行不良が像悪しひどくなり、いつまでも続く
②身体的ストレスではデスクワークなど長時間の姿勢や合わない枕などで起こり、筋肉が緊張することで血行不良になり、疲労物質が溜まって神経を刺激して頭痛の原因となる
③精神的ストレスが蓄積されると、脳に備わっている「痛みのコントロール機能」が機能しなくなり、筋肉が緊張していなくても頭痛が生じる
①年齢や性別、遺伝など関係なく慢性頭痛の中で発生頻度が一番高い
②一日中パソコンなどのデスクワークを行う人に多い
③首肩のコリを伴う
④後頭部から首筋にかけてジワーっと両側が痛む
⑤頭をギリギリと締め付けられるような痛み
⑥いつとはなしに痛みが始まりダラダラと続く
⑦痛みは数十分あるいは一週間くらいで弱くなったり強くなったりする
⑧首を回すと一瞬めまいがすることがある
①頭の片側や両側にズキズキとした痛み
②吐き気
③光を眩しく感じる
④音に敏感になる
⑤頻度は月に1、2回、ひどい方は週に2、3回発作が起きる
⑥脈を打つのに合わせてズキンズキン、ガンガンと痛む
⑦頭を振ったりからだを動かすと痛みが強くなる
①主にストレスやホルモンの変化
②神経質で緊張しやすく、不安や抑うつ傾向が認められる人に多い
③食事性の誘発因子としてチーズに含まれるチラミン、チョコレート中のフェニルチラミン、ホットドッグ中の硝酸ナトリウムが頭痛を引き起こし易い
①様々な原因により血管が拡張、炎症を起こすことが起因となると考えられている
②セロトニン説
脳が刺激を受けると血小板から血管収縮作用のあるセロトニンが放出され、脳の血管が収縮しセロトニンが分解、放出されることに伴い、逆に脳の血管が徐々に拡張することで頭痛が起こる
③三叉神経説
脳からの刺激により血管周囲にある三叉神経が刺激され、三叉神経から血管拡張作用のある神経伝達物質が放出されることで血管が拡張し血管周囲も炎症を起こし拡張と炎症が感覚神経を刺激して頭痛が起こる
④血管が拡張されるキッカケ
・睡眠不足・生活リズムの乱れ
自律神経の働きが乱れ、血管拡張や収縮のリズムが崩れ血管が拡張する
・アルコール(特にワイン)
アルコールを飲み過ぎることにより血管が拡張する
・激しい運動
激しい運動により心拍数が上昇し、血管が拡張する
・熱いお風呂、サウナ
熱いお風呂やサウナに入ると、体温調節する時に血管が拡張する
・女性における生理周期
生理前後にホルモンバランスが崩れ、片頭痛になりやすい
・ストレス
ストレスが強い時は血管が収縮し片頭痛は起こらないが、ストレスから解放されると血管が拡張し片頭痛が起こる
・ダイエット
極端なダイエットは低血糖を引き起こし、血流が増加し低血糖を回復させようとして片頭痛になる
①20~50歳代の女性に多い(多くは30歳までに発症)
②急激な血管拡張によるので片頭痛は突然起こる
③血管が拡張し、周りの神経を引っ張ることで起こるので、日常生活に耐えられないような激しい痛みが生じる
④血液が急に増えると神経は興奮し過敏になるので、光や音に敏感になる
⑤階段の上り下りなどの激しい運動で痛みが悪化することがある
⑥頭痛は月に1~3回程度で、一度起こると4時間~3日間くらい続く
⑦頭痛が起こる前に何らかの前ぶれ症状が起こる場合がある
⑧親子で遺伝することが多い
頭痛が慢性的に頻発すると、緊張性頭痛と片頭痛を合わせた混合型頭痛になります。
多くは緊張性頭痛に片頭痛が組み合わさる形ですが、片頭痛に緊張性頭痛が組み合わさることもあります。
はっきりとした定義はありませんが、鈍い痛みに拍動性の頭痛を伴うことが特徴で、近年増加傾向にある頭痛です。
①痛くなるのはいつも決まった片側
②片側の目の奥の強い痛み
まだはっきりとは解明されていない
①血管の拡張が関係しており、それを抑えるトリプタン系の薬剤が群発性頭痛に対して効果的であるところから片頭痛のように頭蓋外血管の異常拡張が関係している
②症状の範囲からみて三叉神経の関与も疑われる
③発作中は目の後ろにある太い血管(内頸動脈)が腫れ、その血管により周りにある神経が刺激され激痛が起こると言われている
①片側の目の奥の強い痛み
②年に数回から数年に1回位の頻度で起こり、特に春から梅雨の時期にかけて多発する
③一度発症すると1~2ヶ月にわたってほぼ毎日同じ時間帯に症状が現れる
④痛みの持続は15分~3時間で、その後消失する
⑤頭痛の中で最も症状が重い
⑥男性に多い強烈な痛みの頭痛
⑦頭痛がある間、痛みがある側の目が充血、涙が出る、鼻水、額に汗をかく
⑧アルコールを飲むと悪化する ⑨珍しいため、三叉神経痛や片頭痛と間違われやすい
頭痛の中には、放っておくと生命の危険に関わる病気がひそんでいることがあります。
ここでは、頭痛を起こす代表的な病気を4つ紹介します。疑わしい場合や心配なときには医療機関を受診してください。
くも膜下出血とは、脳の表面にある動脈に「血管のコブ」ができ、それが破裂して脳を包む「くも膜」と脳との間に出血が起こる病気です。
①症状
かなづちでなぐられたような激烈な痛みが突然始まる意識を失ったりひきつけを起こす場合もある
※短時間で死にいたる危険もあるので、例え痛みが楽になってきたとしてもすぐに救急車で脳神経外科へ。
脳腫瘍とは、頭蓋骨の中にできる腫瘍のことで、良性と悪性に分けられますがどちらも早期発見が治療のカギとなるので迷わず脳神経外科ヘ行きましょう。
①症状
1カ月くらいのうちに頭痛の症状がドンドンひどくなってくる 嘔吐 視覚異常 マヒひきつけ
慢性くも膜下血腫とは、頭を打った後に脳を包む硬膜の内側から徐々に出血する病気です。出血が少量でジワジワと血腫ができ、症状が出るのに数カ月かかりますが、手遅れになる前に手術すれば治る病気ですので、疑いがあれば脳神経外科へ。
①症状
軽いマヒを伴うことがある 認知障害の症状が現れることもある
髄膜炎とは、頭蓋内に病原体が入り込み脳を包んでいる髄膜に炎症を起こす病気です。
神経内科へ行き、正しい診断と処置をしてもらいましょう。
①症状
風邪の症状に似た発熱と頭痛 吐き気や後頭部から首筋が硬くなる症状が現れる
日常的に起こる頭痛であれば、安静にしていればそれほど長引くことはありません。
しかし、突然の激しい頭痛など、脳の病気が原因の場合は命に関わることもあるので、いち早く病院を受診しましょう。
また、緊張性頭痛と片頭痛では、発症メカニズムや原因が様々で、緊張性頭痛は血管収縮、逆に片頭痛は血管拡張によるところが大きいです。
従って、お風呂に入るなどの対処法でも、温まることで血管が拡張して緊張性頭痛には効果的でも、片頭痛には逆効果となります。
まず、自分がどのタイプの頭痛なのかを把握しておくことは、対処法を判断する上でとても重要だと思います。